2017年4月3日 更新

ガス自由化によって、問題となる「ガス導管の分離」

ガス自由化によって、個人の考えや好みによってガス会社を自由に選択できる時代になりました。しかし、このガス自由化で問題になるのは「ガス導管をどのように共有しあうのか」です。2022年を予定されているガス導管の法的分離は問題も多くあるようです。

電気は電線、ガスは導管・・・自由化の成功は「ガス導管の分離(開放)」で決まる!?

電気は送電線、ガスは導管によって一般家庭に供給されています。
大手電力会社やガス会社によって占有されてきたこの送電線やガス導管をどのように共有しあうのかは大きな課題です。
新規参入したい会社が導管がないので参入できないといった不平等を無くすためにも、この分離はガス自由化を成功させる大きなカギとなるでしょう。
東京ガス : 安全と防災 / 地震対策 / 地震防災対策の3本柱 予防 : 耐震性の高いガス設備 (23439)

電力と同様に、寡占企業に新規事業者が競争を挑める公正な条件作りが欠かせない。そこで焦点になるのが、現在はガス導管の整備・管理から小売りまでを一貫して手掛ける都市ガス事業者から、ガス導管部門を分離するかだ。新規参入者は使用料を払ってガス導管を利用し、ユーザーにガスを届けることになるが、電力の送電部門切り離し論と同様、新規参入者が大手事業者と対等に競争できるようにするのが、導管分離の狙いだ。
自由化後に既存のガス会社が有利にならないように競争環境も整備する。これまではガスを運ぶ導管を自由に設置できなかったが、一定の理由があれば設置できるようにする。
新規参入者が保有するガス会社と公平に導管を利用できるようにしていくことは、自由化を実現する大きなポイントになる。電力ではガスの導管に当たる送配電事業の「法的分離」で決着している。
新規参入をいくら促しても設備の問題が出てくる。電気でいう「送電網」に相当する「ガスパイプライン」は各ガス会社が保有・管理している。これを新規参入したい電力会社や石油会社など他の事業者にどう開放していくのか、大きな問題だ。

ガス導管の法的分離は2022年4月の予定

2016年の電力自由化に引き続いて、2017年度にはガスの自由化も行われます。しかし実際にはプロパンガスであるLPGガスは、1996年にすでに自由化が行われており、2017年の全面ガス自由化に際して、重大な課題が幾つもある事が指摘されており、難題は既に山積み状態にあると言っても良いでしょう。政府はなぜこうした自由化を矢継ぎ早に行うのでしょうか。目的は色々ありますが、最大の理由は我が国に産出するエネルギー資源がとても少ない事にあります。もちろん新規エネルギー事業は行われていますが、それを待っていては高騰して行くエネルギー資源に政府だけでは太刀打ちできないのです。自由化によって価格の引き下げが行われる可能性も高いのですが、これによってエコ事業も加速し、少ないエネルギーで大きな効果をもたらしたりする事で、膨大なエネルギー資源輸入に歯止めをかける事も期待されます。
ガス導管の法的分離は2022年4月を予定しているようです。今まで占有されてきたこのガス導管はどのように分離されるのでしょうか?
法的分離には多くの課題が存在しています。
都市ガス小売の全面自由化について|コラム|新電力ネット (23395)

ガスを運ぶガス導管に関しても2022年にも大手ガス会社の導管部門を子会社化し、新規参入ガス会社も許可があればガス導管を設置できるようになります。

ガス導管の分離は難しい

同じ全面自由化が行われるガス事業と電力事業ではありますが、この2つの自由化を同じ土俵で考えることは出来ません。それは電力は、電線を伝って我々の自宅や職場に送られてきますが、よほどの辺鄙な場所でなければその普及率はほぼ100%に近いと言っても過言ではありません。しかし、ガス管に至っては北陸から九州北部の首都圏のみに限られており、その普及率は6%ほどにしか至っていないのが現状です。ここが都市ガスとプロパンガスとの線引きであり、ガス管の走っていない地域はプロパンガスが主力のガスエネルギーとなっています。つまり、ガスの自由化とは、このどちらもが選べる状態になって初めて可能なわけで、現状で自由化をうたうには少しばかり早急な感も否めない訳です。プロパンガスは自由化が行われている割には、地域での格差が激しく都市ガスの自由化が起きても、ガス導管をどう設置するのかがカギとなって来るでしょう。
電力とは異なりガスは各地にガス導管が網羅されている訳ではありません。ガス導管がない地域ではプロパンガスを使用している場合も多いでしょう。
ガス導管の分離じたいも難しい状況ですが、ガス自由化ではガス導管網の未整備も問題になってくると考えられます。
都市ガス小売の全面自由化について|コラム|新電力ネット (23396)

送電網は全国に張り巡らされ、基本的に全てつながっていて、まとめて分離するのが比較的容易なのに対し、都市ガスは各事業者が自社の営業エリアにそれぞれガス管を敷設し、相互がつながっていないケースも多い。
2017年4月からは、今まで対象外だった全ての小口消費者(一般家庭や個人事務所など)もガス会社を自由に選んで契約することができるようになります。ほとんどの場合、消費者が契約した「ガス小売り事業者」が、「ガス導管事業者」の導管を使って家庭にガスを届けるというケースになるでしょう。ですから、基本的にはガス導管が整備されている地域(=都市ガスが供給されている地域)にお住まいの方全てがその対象です。

ガス会社は数多く存在している・・・どうやってガス導管を分離するのかは課題

都市ガス会社は2013年12月現在で209社に及び、様々な事業形態で営業している。東京ガス、大阪ガス、東邦ガスが大手で、この3社で全販売量の7割を占めるが、地域ごとに中小規模のガス会社が散在している。中には仙台市ガス局のような公営企業も含まれる。

分離がうまくいったとしても、安全面はどこが責任を負うのか?

ガス全面自由化にはもちろん懸念点もあります。まずは安全面の問題、導管部分を大手都市ガスから切り離した場合、保安責任が誰が負うかが焦点になります。
現在は都市ガス事業者が保安責任を負っていますが、導管部門が分離された場合、導管事業者が負うことなるのでしょうか?それとも小売り会社でしょうか?新規参入者は安全に関してはノウハウや経験が十分でないため安全面で不安に考える消費者も多いはずです。

他にも課題が・・・今使っているガスメーターはどうするの?

ガスメーター(マイコンメーター)の安全機能|安全対策|G-line(Gライン) LPガス 都市ガス (23472)

各家庭に都市ガス会社が設置しているガスメーターを、顧客が自由に変えられるようにするかなど、競争を阻害している問題の解決はこれから。

ガス自由化は2017年4月に開始予定、まだまだクリアしなければならない課題は多い

ガス自由化が2017年に始まって、ガス事業には大きな課題が幾つも残されています。前述の通りガス導管を、全国にどう網羅していくかも課題の一つですが、我々が利用しているエネルギーで、最も危険度が高いのがこのガスだという事も忘れてはなりません。都市ガスもプロパンガスも、本来は双方とも無色透明で無臭であり、臭いをつける事でガス漏れの危険を察知できるようにされています。ガス検知器も、プロパンガスを使う3世帯以上の集合住宅などでは義務付けされていますが、都市ガス仕様では義務付けではありません。設置場所もプロパンは空気より重く、都市ガスは空気よりも軽い為に、設置する場所も変えなければなりませんし、換気に際してもプロパンガスの換気は下に溜まりやすく難しさがあります。しかし、いくつかの課題がクリアされれば、電気料金と共に価格低下のメリットも受けられるはずです。
ガス自由化は電力自由化と比べて課題も山積しているような印象を受けます。

日本で未整備の導管の整備はどうするのか?
整備されている地域での法的分離はどうすればよいのか?
安全面での責任はどこが負うのか?

このようなクリアしなければならない課題はありますが、ガス自由化によって料金引き下げや、ガスと電気、通信などによるセット割など、期待できそうなものもありますね。
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