2016年2月3日 更新

ガス自由化を前に -ガス会社のサービスにはどんなものがあるの?-

電力、ガス自由化を前にガス事業を営む企業が電力供給事業に参入することは既に報じられている通りですが、そのガス事業各社が販売に力を入れているサービスがあります。「エコジョーズ」「エネファーム」「エコウィル」の3つです。それらの違いとそれぞれのサービス内容についてどこまでご存知ですか?

ガス会社が力を入れている3つのサービス

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現在、ガス会社が特に力を入れているサービスは大きく分けると3つあります。
エネファーム

最初にご紹介するのは当サイトでも大々的に取り上げているエネファームです。燃料電池の仕組みを利用したコージェネレーションシステムとなっていて、発電能力も給湯能力も最も優れています。一方で販売価格はかなり高額となっています。自立運転が可能な製品も登場したため、非常時や緊急時にも役立てることができます。

エコウィル

前述の4製品の中で、最もエネファームに近いと言えるのがエコウィルです。エネファームは燃料電池を使って発電を行いますが、エコウィルはガスエンジンを使います。どちらもガスを必要とするコージェネレーションシステムであることに変わりはありませんが、能力差はかなりのもので、それが販売価格に反映しています。

エコジョーズ

エネファームとエコウィルは発電能力のある製品ですが、ここからは発電能力のない製品となります。エコジョーズは高性能なガス給湯器です。従来型のガス給湯器よりも熱を効率的に利用することで排気ロスが減少し、省エネ性能が向上しています。ガス料金の節約ができるほか、二酸化炭素排出量削減にも貢献できます。
ざっと区分すると、「エネファーム」「エコウィル」はガスを燃料として発電する能力がある設備、「エコジョーズ」は、その設備自体に発電能力がない設備となります。

エネファームとエコウィルの違いとは

ここからはそれぞれのサービスについて見ていきましょう。
まずは、電力自由化を前にガス会社が最も力を入れていると思われるエネファームとエコウィル。
この2つは発電能力がある設備ですが、これらにはどのような違いがあるのでしょうか。
エネファームとエコウィルの違い

結局、エネファームとエコウィルは何がどう違うのでしょうか。
簡単にいうと、発電機の種類が違います。
エネファームはガスを分解して燃料電池で発電します。
エコウィルはガスを燃料とするエンジンが発電します。
更に「主役」も違います。
エネファームのメイン業務は「ガスで発電する」ことです。
ですから、電気が必要な時に発電してくれます。その発電のタイミングで発生する熱で給湯を行ってくれるのです。
これに対し、エコウィルは「給湯」をメイン業務にしています。
そのため、 貯湯タンクが一杯になると「給湯」が不要と判断し、 それに合わせて「発電」もストップします。
双方ともに発電能力がある設備ですが、エネファームが「ガスで発電」することをメインで、安定的に発電をする一方で、エコウィルは給湯がメインのため、給湯するお湯が貯まると発電も自然にストップしてしまう点にあります。

エネファームとは?

太陽光発電のイラスト//商用利用・加工利用可能な無料フリーイラストアイコン素材集 -エムスタジオ- (29394)

発電を主とした燃料電池である「エネファーム」の特徴と、そのメリットはなんでしょうか。
エネファームとは
家庭用燃料電池「エネファーム」とは、「エネルギー」と「ファーム=農場」の造語です。

エネファームのしくみ
水素と酸素の化学反応で発電し、その際に出る熱でお湯もつくります。
「エネファーム」で発電する原理は、水の電気分解の逆。都市ガスやLPガスから取り出した水素と空気中の酸素を化学反応させ、電気をつくり出します。さらに、発電の際に発生する熱を捨てずにお湯をつくり給湯に利用。エネルギーをフルに活用するシステムです。

エネファームの環境性
「つくる場所」=「使う場所」。だから、ロスがなくなります。
普段、私たちが使っている電気は、大規模発電所でつくられ、それぞれの家庭に運ばれます。発電の際に発生する熱の多くは有効に利用できなかったり、また、電力の一部は送電ロスで失われてしまいます。これに対し、各家庭でエネルギーをつくる「エネファーム」なら、エネルギーをつくる場所と使う場所が一緒。そのためエネルギーを有効に利用することができます。

一次エネルギー23%削減、CO2排出量38%削減。家庭からのCO2排出量削減に期待。
「つくる場所」と「使う場所」が一緒のエネファームをあなたのご家庭で1年間使用すると、石油、天然ガスといった一次エネルギーの使用量を23%削減。CO2の削減量は1,330kg、38%も抑えることができます。地球資源の保全や温暖化防止に大きく貢献します。
エネファームはいわゆる「家庭用燃料電池」です。ガスから取り出した水素と、空気中の酸素を化学反応させることで電気を作り出す仕組みとなっています。環境に優しい設備として、各ガス会社が販売を推進しています。
環境に優しい燃料電池として注目されているエネファームですが、デメリットはないのでしょうか。
最もネックになっているのは導入コストである。当初の販売価格である300万円に比べれば下落し始めているとはいえ、エネファームは約270万円と一般的な家庭が導入するにはまだ敷居が高い。太陽光発電パネルや電気自動車などと同様、燃料電池の普及も補助金頼みとなっているのが現状である。それでも初期費用は200万円近くに達する。このため現時点におけるエネファーム購入者の大半は、環境意識が高い富裕層で、一戸建て住宅に居住している人。つまり、ごく限られた人たちなのである。
エネファームは導入のための初期費用が300万円弱とかなり高く、購入している人はまだ限られています。一般家庭に普及するにはまだまだ時間がかかりそうです。
他にも、現時点でのエネファームのデメリットはいくつかあります。
エネファームについてのクレームとして多いのが
低周波音の問題です。

これはエネファームの運転によって発生するものなのですが、
低周波音というのはただの騒音というわけではありません。

低周波音は普段の生活の中で耳から聞こえることはほとんどありませんが、
問題となるのは振動です。

聞こえないけれどわずかな振動が起こることによって
睡眠の妨げとなることも少なくありません。

設置した本人はその原因もわかっているのでまだ良いですが、
クレームとなるのは近隣住宅でもその被害が出てしまうという点ですね。
音の問題はご近所トラブルで最も多いものだけに、エネファームが出す低周波音が騒音となる可能性がないわけではありません。
ところで、エネファームは太陽光発電との相性がよいらしいです。
太陽の光という自然エネルギーを利用して電気をつくる太陽光発電。CO2を一切排出しない、とてもクリーンな発電方式です。 「エネファーム」にこの太陽光発電をプラスすれば、より効率的な発電システムが誕生します。「エネファーム」がつくり出す電気とお湯に、降り注ぐ太陽の光がつくる電気。電気の使用量に余裕が生まれるのに加え、CO2排出量もさらに削減することができます。
これらの2つを併せたW発電も少しずつ注目され始めています。今後の技術開発次第では、これも一般家庭への普及型として期待できるかもしれません。

エコウィルとは?

エコウィルはエネファームと同様に発電能力がありますが、発電よりも給湯をメイン業務としています。そんなエコウィルの特長は以下の通りです。
自宅で発電し、あまった熱を給湯、暖房に再利用する
家庭用ガスコージェネレーションシステムです。
ガスエンジンで電気を作ると共に、排熱で温水をつくるので無駄がありません。
バックアップボイラーがありますので湯切れの心配がありません。
発電した電気は電力会社の電気と混ぜられます。不足分や発電していない時は電力会社の電気でまかないます。

22%の省エネルギー、CO2排出量の32%削減を実現
発電時に発生する熱を、給湯や暖房に活用し、1次エネルギーの消費量を約22%も、地球温暖化の原因となるCO2を約32%も削減することに成功しました。エコウィルは快適な暮らしを支えるだけではなく、環境保全にもしっかりと貢献しているのです。

22%の省エネルギー、CO2排出量の32%削減を実現
発電時に発生する熱を、給湯や暖房に活用し、1次エネルギーの消費量を約22%も、地球温暖化の原因となるCO2を約32%も削減することに成功しました。エコウィルは快適な暮らしを支えるだけではなく、環境保全にもしっかりと貢献しているのです。
エコウィルはエネファーム同様、環境保全に配慮された自家発電設備と言えるようです。
エコウィル|日本ガス協会 (29391)

エコウィルのしくみ
では、そのエコウィルのメリットとデメリットにはどのようなものがあるでしょうか?
・メリット
1)発電で発生した排熱を直接有効利用できるため、排熱を利用しない火力発電や原子力発電と比べてエネルギー利用率が高い(エコウィル77%、火力発電37%)
2)ガス会社によっては、ガス料金の割引を受けられる。
3)発電した分、電気使用量が減る(年間約40%削減)ため、電気料金が安くなる。
4)補助熱源機を組み合わせて使用するため、湯切れの心配がない。
5)補助金制度がある(対象機種などの条件があります)。平成22年度の補助金は112,000円です。詳細はこちらから

・デメリット
1)発電時の排熱で貯湯タンク内のお湯を温めるシステムであるため、貯湯タンク設置スペースが必要。
2)ガス給湯器と比べると初期費用が高い(1機あたり82万円)。しかしエネファーム(1機あたり300万円前後)に比べると大幅に安い。
3)一定期間ごと(6,000時間または3年間のいずれか早い方)に定期点検が必要。
4)貯湯タンクのお湯が沸ききると発電を止める仕組みのため、お湯の使用量が少ない季節は発電量が減少する。
5)発電できる電力は最大でも1kW(1,000W)程度。
6)停電時には発電できない。
エコウィルの最大のメリットは、排熱の直接利用によりエネルギー利用率が他の電力よりも高いという所にありますが、エネファーム同様、現時点では設置コストの高さなどが挙げられるようです。

エコジョーズについて

これまで紹介してきたエネファームとエコウィルには発電能力がありますが、エコジョーズは発電しません。その特徴(メリット・デメリット)については以下の通りです。
メリット
これまでの家庭用給湯器では、使用するガスのうち、約20%が排気ガスや放熱で無駄になっていました。

エコジョーズは、従来捨てていた約200℃の排気ガス中の熱を、二次熱交換機で再利用し給水を予熱するガス給湯器です。その約20%のロスのうち約15%を二次熱交換機で回収し再利用することによって燃費の改善やランニングコストの低減など様々なメリットが生まれます。エコジョーズは、設置費用が比較的安価なところもポイントです。光熱費の削減効果で機器の設置費の上昇をまかなうことも、比較的簡単です。

給湯器がコンパクトなためマンションなどの狭いベランダでも比較的スムーズに設置することができます。

デメリット
エコジョーズは、一般的なガス給湯器よりも若干、機器の費用が高くなります。また、エコジョーズは潜熱を回収した結果、機器内の配管に結露が発生し、その発生した水を排水しなければなりません。したがって、排水経路が取れない場合は設置ができないことがあります。
エコジョーズ・ecoジョーズ(潜熱回収型給湯器)の特徴|湯ドクター (29392)

エコジョーズと従来型給湯器の違い
発電能力があるエネファームやエコウィルに比べると比較的安価で設置できると言われているエコジョーズですが、従来型のガス給湯器に比べるとガス代がどの程度得なのでしょうか。
どれくらい家計におトクなの?
年間で、約16,500円のガス代節約になります!
高効率でお湯を沸かせると、ガス消費量は少なくなります。つまり、その分ガス料金も安くなるということ!本体価格だけでなく、ランニングコストも比較して給湯器を選びましょう。

熱効率がアップすることで、給湯に必要なガス使用量が約12%削減。つまり、ガス料金も約12%分減らせます。従来型と同じだけのお湯を使っても、年間約16,500円の節約になります。

購入時の本体価格は従来型よりもエコジョーズの方が高額。しかし、毎年のランニングコストの差額を見ると、およそ1年6ヵ月で従来型との価格差をクリアします。
従来型の給湯器と比べると設置コストは高いですが、エコジョーズのランニングコストが安く抑えられるため、長い目で見ればガス代の節約となるようです。

まとめ

ガス会社が販売に特に力を入れているサービス(エネファーム・エコウィル・エコジョーズ)についてのまとめは以下の通りです。

1.エネファーム・エコウィルには発電能力があり、エコジョーズには発電能力がない
2.エネファームとエコウィルの違いとは
3.エネファームの特徴とメリット・デメリット
4.エコウィルの特徴とメリット・デメリット
5.エコジョーズの特徴とメリット・デメリット

どのサービスにもメリットとデメリットがあります。また、現時点ではコストがかさむため、一般家庭で使う数が限られているものもあります。けれども今後の技術開発によっては普及が大いに期待できると言えるでしょう。ガス自由化まであと約一年。私たちは消費者として高い意識を持ち、来る自由化に向けて冷静な判断をしたいものですね。
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